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「野菊の墓」--伊藤左千夫

斎藤政夫は、15歳の少年。

民子は、政夫のいとこで、2つ年上 の17歳少女。

政夫の母は、病気がちで民子に家の事や看護をしてもらっていた。

おもな舞台は、千葉県松戸の近くで矢切村と言うところ。旧家の子供・政夫は、

家事手伝いにきた2歳年上のいとこの民子と親しくなる。

しかし、二人の仲を村の者に噂されるようになる。

母もまた気にかけて二人に注意したりする。

この母の言葉以来、二人の様子は変わってしまった。

周りの人がかれこれ言うので、かえって無邪気でいられなくなったのである。

ある秋の日、二人は家の用事で綿摘みに出かけ、畑に向かう途中野菊をみつけた。

「僕はもとから野菊が大好き。民さんも野菊が好き・・・・・・」

「私、野菊の生まれ返りよ。野菊の花を見ると身ぶるいの出るほどかわいいと思うの。

どうしてこんなかと、自分でも思うくらい」

「民さんは、そんなに野菊が好き。どうりでどうやら民さんは野菊のような人だ」

こして二人だけの時間を過ごしたのでした。

しかし、帰りが随分遅くなったため、怒った母は政夫を東京の学校へ入学させる事を決断したのである。

二人の間に芽生えた幼い清らかな恋は世間の目を気にする大人たちによってうちきられたのである。

政夫は東京の中学へ向かう前日、自分がいなくなってから見てくれと、民子に手紙を渡した。

その後民子は自分の家へ帰される。民子は強いられて他家に嫁に行き、流産で命を落としてしまうのである。

死んだ民子の左手には、紅絹(もみ)のきれに包んだ政夫の写真と手紙が堅く握られていた。

その手紙を読み政夫の母、民子の家族が皆、声を立てて泣いた。

無理に嫁にやった事を後悔し、詫びた。

政夫はその後七日間、民子の墓に参り周りに野菊を一面に植えた。

民子の墓の周りには、好きだった野菊の花が茂っていた。

 

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