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「鼻」--芥川龍之介

登場人物

禅智内供(ぜんちないぐ)- 池の尾の高僧。人並みはずれた長鼻の持ち主

弟子-

 

禅智内供の鼻と云えば、池の尾で知らない者はない。

上唇の上から顎の下までぶら下がっているという何とも珍しいものだった。

皆がこの鼻のことを話題にし、陰口をきいたり、あざ笑ったりするものだから、

内供の心はいつも晴れなかった。

内供はこの奇異な鼻で自尊心を傷つけられていた

鼻を短く見せる工夫をするのだが全く効果出なかった。

日常生活のうえでもこの鼻は不便でならなかった。

食事の時など、弟子に板で鼻を持ち上げてもらわなくてはならない始末である。

鼻が持ち上がっている間に、急いで食べるものを食べるのだから、味もよく分からないのである。

ところが、ある年の秋、弟子の僧のひとりが、知り合いの医者から、

そういう長い鼻を治せるという方法を教わってきた。

そして、その治療を熱心に勧めてくれるので、内供はそをためして見る事にした。

そして、習ってきた弟子の言うとおりに、まずは熱湯で長い鼻を茹でて、

それから痛くない程度に人の足で踏ませ、さらに毛抜きで鼻の中の脂肪を抜き取らせたのである。

すると、ウソのように鼻は小さくなった。早速、鏡を磨いてのぞいて見ると、

まだ十分とは言えないものの、普通のかぎ鼻ぐらいにはなっていた。

内供は、小さくなった鼻をそっと撫でながら、内心で喜び、ほっとした安堵感さえ感じながら、

ひと心地ついていた。

ところが、訪問客も周囲の人々も、禅智内供の鼻を以前にも増して遠慮無しにジロジロと眺めたり、

あれこれ批評めいたことを言って笑うようになった。そこで内供はいっそう機嫌が悪くなり、

弟子たちをやたらに叱りつけたりした。ところが、ある夜、鼻に手をやってみると、

なんと鼻は水気をふくんで元どおり長くなっているではないか。

それで、内供はかえってホッとして、晴々した気持ちにもなれたのである。

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